猫灘

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梅雨

雨の音に誘われて、窓ガラスから外を見上げる。
ザアザアと降り続ける雨は止む兆しもなく空は分厚い雲で覆われていた。
「雨、止みそうもないね」
と、ハンギングに吊るしたエアプランツに話しかける。
勿論言葉が返ってくる訳では無いのだが、唯一の同居人だ。この雨の状況を共有できる存在は彼ないし彼女しか居ないのだ。
「雨は嫌いじゃないけど早く止んでほしいなあ」
ハンギングがキィと揺れたのでそうだね、と言葉が返ってきた気がした。だ、なんて。馬鹿らしいな。
「あー……買い物行こうかな」
雨降る中私は買い物に出かけるのだった。もちろん同居人のエアプランツにいってきますの挨拶を忘れずに、だ。

6/1/2023, 10:17:54 AM