海喑

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涙の理由
私は貴方が好きだ。
なんて、言うのは何回目だ?
私は自分に問う。
なんで、昔からこんな無謀な事をずっとしているんだ。
貴方に何度も、何度も、私の気持ちを伝え続けてきた。
だけど返事はYesじゃなかった。NOだったり、考えさせてって感じで保留にされたり…
でも、私はそれを責めたりはしない。
貴方がそれでいいなら、私もそれでいいから。
前まではこう思えていた。
貴方は私に、私を『親友』だって思ってる。と言った。
正直、辛かった。いくら想いを伝えたとて私たちは特別な存在にはなれない。
なるわけが無いんだ。
そう思っていた。
それから、私は貴方への思いがほんの少しだけ薄れた気がした。
怖かった。
貴方の事をこんな些細な事で嫌いになりそうで。

貴方にこの事を話した。
今思えば、私はなんて事を言ったんだろう。

「『親友』の意味合いは一応付き合っている親友…」
あなたはそう言った。
矛盾だらけだ、私はそう言って小さく笑った。
その時に涙も一緒に溢れてきた。
なんでだろ、なんで涙が溢れてきたんだろ。
私はふと気づく。
あぁ、ずっと前から願ってたことが叶ったからか、と。
そう思うとあの時、諦めなくって良かったなと思いつつ
私はいつものように返事をした。

10/10/2023, 1:35:37 PM