風邪
幼い頃の記憶。
風邪を引いて学校を休むのにとてつもない背徳感を感じていた。
いまの時間はみんな授業を受けているんだ。そんな中、私はベッドで何もしないで寝ている。
体が動かないし、喉も痛いし、鼻も詰まって呼吸がしにくいのに、私のほうがずるしてるみたいなんて。
ヴェポラップを塗ったハンカチを首元に巻いて、水枕のなんともいえないゴム臭さを鼻が詰まった鼻が臭いを捉えてくる。
喉が渇いたなと水枕の横に置いた微温いポカリで喉を潤す。
大人になって思い出したら何にもよかったことはないけど、これからもずっと色褪せたりしない記憶なんだろうな。
12/17/2024, 8:18:37 AM