ひよこまめ

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〚ブランコ〛

夜の公園で私はブランコに座り、
足先で砂をかすかに蹴った。

チェーンが鳴る微かな金属音が、心の揺らぎと音叉のように共鳴している。

年上の部下を持つことは、特別なことではない。

理屈では分かっている。

役割が違うだけ、線引きは明確、
尊重と対話。

でも、人一倍気にしてしまう性格は、今日も静かに自分を消耗させた。

ふ、と溜息が漏れる。

仕事は楽しい、仲間も素敵だ。

笑い方が好きだなと思う人がいる。

背中を預けられる人もいる。

だからこそ、些細な言い回しや顔色に自分の未熟さを見つけて、
胸の奥に小さな棘を増やしてしまう。

「相席いい?」

耳に落ちた声に、はっと顔を上げた。

そこにいたのは、いつも通りの優しく微笑む彼だった。

彼は私の返事を待たず、隣のブランコに腰をかけた。

「寒いね」

「うん」

それだけで十分だった。

彼は自分のリズムで、ゆら、ゆら、と揺れる。

私はその揺れを横目で追いかけ、
気づいたら口元が緩んでいた。

頬の裏側がほどけ、胸の棘がひとつ、砂の上に落ちる気がした。

私は小さく息を吸い込み、空を見る。

星はまばらだ。

私はもう一度、鎖を握り直す。

冷たさは、さっきほど鋭くない。

2人を包み込む空気は優しく、
温もりに満ちていた。

2/1/2026, 12:45:43 PM