南風

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雑踏の中に見え隠れする、見覚えの有る赤いマフラー。
ひらりひらりと人の波をかわし、近づくとやはり知った顔だった。
今日は朝から、首が縮む程寒い。
どうしても、出掛けなくてはいけない仕事がある。
コートとマフラーをして、完全防備しなくては歩けないだろうなぁ。
後ろから、カッカッと走る音に振り返ると。
「良く分かったわね、あたしだって。」
「そりゃぁ解るさぁ、自分の贈ったマフラーだもの。」

3/3/2025, 11:03:54 AM