安心と不安
「安心と不安」は、天界独自の諺(ことわざ)です。
昔々、ある神様は地上の生物から不安を取り除いてあげようとしました。結果、生物たちは死や危険に対する不安感を失くし、積極的に滅亡に向かおうとしました。
見かねた神様は生物に不安を戻して、代わりに安心を取り除きました。すると生物たちは常に落ち着かなくなって、食事を取らず子も成さず、やはり滅びに向かいました。
そこで神様は、生物から安心と不安の両方を取り除きました。すると不思議なことに、彼らは再び安心も不安も抱くようになりました。そして生物は安定して繁栄を続けました。
安心が崩れれば不安になり、不安が無くなると安心する。両者は対を成すものでありながら、共存してこそ安定することができたのです。
このことから、「たとえ善意であっても安定状態に手を加えると良いことにならない」という例えに用いられます。最近は「対立しているように見えるものも共存させておくのが最善である」という意味でも使われるようになりました。
いずれにしても、優秀な神様になるために最も大事な考え方の一つです。頭の片隅に入れて、何か決断をする際はこの言葉を思い出してください。
1/26/2024, 9:34:04 AM