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「──俺のこと、何があっても忘れないでくれよ」
そう言って彼は橋の上から美しく笑って飛び降りた。激しく波打つ川の底へと。僕は泣きながら手を伸ばした。
「ごめんなさい、ごめんなさい。」
ああ、僕はずっと気付いていた。彼が部活内であることないことを言われいじめられていたこと。それらに愛想笑いを浮かべながら否定をせずにここまで来た。なんて愚かだ。最低だ。彼はずっと友達だと思ってくれていたのに。この言葉は呪いであり、彼の最期の復讐だ。
「大丈夫、忘れないよ」
明日彼の死は自殺としてニュースで報道され、学校で話題となり好き勝手に消費されて、忘れ去られていく。でも、僕は忘れない。この後悔を刻み込んで、110番をするために携帯を取り出す。もう、涙は枯れていた。



【後悔先に立たず】                           

5/15/2023, 1:04:55 PM