「一筋の光」
「どんなに絶望していても必ず希望はある」
どこかの誰かがそんなようなことを言っていた。
本当にそうだろうか。
本当に光はあるのだろうか。
*光ひとつ差さない暗い部屋に
今日も1人きり
頑丈に拘束され、身動きひとつとれない
体には無数の傷が生々しく残り
今も紅の雫が次から次へと溢れてくる
鋭い刃は牙を剥き今なお、襲いかかってくる
休息は与えられずじっと痛みに耐え散りゆくのをただ、まだか、まだかと待つことしか出来ない
散りたくても散れず、自由に生きることも散ることも出来ない。
私の全ては拘束者の手に委ねられ、手の中で自由に転がされ、遊ばされ、やがて惨めに捨てられる
だんだん、だんだん、どうでもよくなってくる。
抗っても、願っても、どうにもならないのなら
もうやめてしまおう。
全て諦めて感情を無くしてしまおう。
考えれば感情を抑えなければ悲しくなるばかりで、辛くなったり、苦しくなるから
それならもう全て捨ててしまおう
心はいらないのだと
完全に諦めていた。
運命とは残酷で意地悪で
全てを捨てようとすると光が見え始める
絶望して全て捨てようと決めた時に手が差し伸べられる。
今までずっと助けてくれなかったのに、ほんとに諦めようと全てを捨ててしまおうと決意した時に限って光が差し込む。
堕ちて初めて差し込む光は、とても眩しく、とても暖かい。
諦めたはずの道にもう一度いけると言われて
捨てたはずの心を捨てきれなかったことを
初めて知った
だってこんなにも感情が揺れ動いているのだから
こんなにも今更でも助けて欲しいと思うのだから
*希望というのは訪れるものでもあるが
最終的に自分の手で掴まなければ
希望は訪れない
希望はいつもあるのかもしれない、でも隠れていて見えない時や自分から行動を起こさなければ
見えない時もある
手がすぐに差し伸べられる訳ではない
手遅れになる事もある。
最後は結局、すべて自分次第なのだ。
11/5/2022, 11:44:34 PM