肌寒い風と共に甘い香りが漂ってきた。金木犀の匂いだ。私は辺りをキョロキョロと見渡して、少し離れたところにある匂いの元を見つけた。無意味だと分かっているが、私はその木々と空を睨んだりしてみる。何故匂いを運んでくるんだと。毎年秋になると鼻をつくそれは、君が私から離れていったあの日と同じ匂いがした。
10/17/2023, 4:05:42 PM