ティーポットから
ふわっと香るのは
いつもの湯加減の
いつもの紅茶。
真夜中に映える真夜中の紅茶。
トトト…と注いでいくのは
持ち手が少し欠けたティーカップ。
揺らして混ぜてやると
月と星屑が紅茶に浮かんだ。
今日は月がありながら
星も綺麗なんだね。
なんとなく紅茶に話しかける。
最近は曇りやら雨やらで
星も月も久しく見ていなかった。
久々の月と星が紅茶越しでよかった。
今夜の紅茶はいつもより藍色が深くて
本物の夜空みたいだったから。
数口飲んで
あとは一気に飲み干した。
まろやかで品のある味。
でもどこか足りなくて
ぽっかりと穴の空いたような味。
"Good Midnight!"
あんまり文句は言っちゃあ不味いね。
ベッドに飛び込んで
身体を丸めて目を瞑る。
今日もいい真夜中だった。
明日もきっと。
11/11/2025, 3:21:06 PM