ささほ(小説の冒頭しか書けない病

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だから、一人でいたい

ドアが閉まった。私はドアの外に立ちすくみ、今言われた言葉を反芻する。

「ぼくはきみを傷つける。きみは僕を苛立たせる。だから、一人でいたい。ぼくたちは離れているべきだ」

言葉の意味はわかる。わかるけれどわかりたくない。一人でいたい気持ちはわかる。私もどっちかというと一人でいたいたちだ。それはそれとして、それでも、傷ついても、あなたといたかった。いやむしろ…私はあなたを傷つけたかったのだろう。私はにんまり笑う。とても素敵な傷つけ方を思いついた。あなたは一人になる。一人でいたらいいと思う。でもあなたは永遠に私を忘れない。ここは四階。私は外付けの階段から飛び降りる。

7/31/2024, 10:44:56 AM