『ひとりきり』
ノイズみたいな 縦線を引く
筆圧強めで 心の画用紙に
ついでに部屋から 夜へとはみ出る
そうか深夜は 黒に優しい
変えれぬ過去は 小説になる
時間が空くと ついつい読んでいる
見知らぬ未来が 通り魔に見えて
そして手首に 赤い川がある
声も涙も 解凍…出来ない
不気味なオバケは 無性に喉が渇く
定義、定理を さまよいながら
生ゴミみたいな 自己に同情
在庫整理も 高級品も
売られていつか 捨てられ消える
気づかれないまま 私は残る
ひとりきりだと 風呂さえいらぬ
季節はめぐり きつねとたぬき
むし歯の居場所が 非常階段
死んでもいいのに 治療はしたい
ひとりきりでも 縦線じゃない
9/11/2025, 12:32:23 PM