桜が咲く頃、花曇りの空が多かった中で、今日は雲ひとつない快晴だ。暖かいを通り越して暑さすら感じる昼下がりに、私たちは散歩をしていた。
「今日はどこへ行くのですか?」
「うーん…決まってないけど、春を感じに行く!」
すごく大雑把な私の答えに苦笑するも、彼は繋いだ手を離すことなくついてきてくれた。少し歩くと見えてきたのは、菜の花畑だった。青い空の下に咲く黄色い花のコントラストが美しかった。さらに歩くとその他にも、花壇に咲いている色とりどりの花や、満開を迎えた桜の花など、様々な花の色や、風に乗ってくる香りを楽しみながら、歩みを進めていく。
「新しい場所に来たら、こんなにも春を感じられるなんてね〜」
「今まで寒い場所にいて、季節の変化をあまり感じなかったから、すごく新鮮ですね」
手を繋いでルンルン気分で歩いているとかなり時間が経ったのか、あるいはずっと動いていたからか、お互いに汗をかき始めていた。
「暖かいとは思っていたけれど、少し暑いかもね…」
「そうですね、アイスでも買って帰りますか」
充分に春の訪れを感じて満足した私たちは、コンビニへ入ってアイスを買いに行ったのであった。
テーマ「快晴」
4/13/2024, 11:00:05 AM