目が覚めるまでに…
…
もう出来るだけ済ませておきたい
音を立てないように
静かに　事を運びたい

誰かと暮らす時
気配と　生活音は必ず　察知するものだ
自分が　寝ている間に　何となく
耳だけが起きているような感覚

そういえば　人は命の灯火が消える間際まで
耳だけは　生きていると　聞いたことがある
だから　迂闊に
最後の最後に　聞きたくもなかった言葉を
聞いてしまって　残念な気持ちで
あちらの世界へ　旅立つ人も　多いかもしれない
そんな　話も　聞いたことがある

耳って　凄いな

誰かの　何かの　足音
静かに気を遣っているのが伝わる戸の開け閉め
蛇口をひねって　水をゆっくり出す音
そぉ〜っと　何かをしている音
目覚まし時計より早く知らせる　炊飯器の音
なんと　思い浮かべれば　多い事か

私が済ませておきたいのは
朝食の準備とお弁当の支度
洗濯機を回すこと
乾いた洗濯物を畳むこと
一番最後に　コポコポと優しい音を出す
珈琲を　セットすること

これらが　全て　滞りなくスムーズに
出来たら
何となく　勝った気分になる
誰に？
目を覚まさない相手に？

いいえ　違います
昨日の　そのまたもっと昔から続けている
自分に　ね

今日も
目が覚めるまでに
やり遂げて　また　明日　挑戦

ささやかな　遊びを　楽しむ




*読んで下さり　ありがとうございます*

8/3/2024, 11:42:58 AM