récit

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僕は大きな窓からぼんやりと夜空を眺めていた。
冬の夜空は冷たく透明で、上空の時間が地上のそれよりも少しだけ速く流れているように感じられた。

君も一緒に夜空を見上げて口を開く。
「ねえ、夜空ってかくれんぼをするのにぴったりね」

「かくれんぼ?」

「そう、上空では様々な人生の物語が早送りで展開されているの。あまりに速すぎて見えないから、まるでかくれんぼをしているみたいに思えるの。早く走るということは、気がついた時にはもう昔の話になっているってことなのよ」

「ふうん、新鮮な感覚だね。でも僕は何も見つけられないな」

「あなた、気づいていないのね。私が本当に言いたいこと、まったくわかっていないのよ」

僕は、気がつかないふりをする方がきっと無難だなと思った。

その時、空を闇に紛れるように漆黒の鳥が羽を広げて駆けて行った。

「夜空を駆ける」す

2/22/2025, 2:08:09 AM