okiru

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 君の奏でる音楽を、空腹を抱えた私は今か今かと待ちわびている。ごはんの炊き上がりを告げる軽やかな電子音の数フレーズ。鳴り終わると同時に勢いよく蓋を開ける。ほの甘さの中にかすかに香ばしさが混じった瑞々しい香り。シューというかすかな音がしてたちこめた湯気の中から、輝くばかりに白いお米たちが顔を覗かせる。口いっぱいにほおばって、そのもっちりとした柔らかい粒を噛み締めたい。そっと混ぜ返し、注意深くふんわりとお茶椀によそう。しゃもじ越しに伝わる確かな重み。お茶碗が徐々に熱をもつ。君の奏でる音楽は、まるで自分の仕事を厳かに誇っているみたい。

8/12/2024, 1:20:58 PM