言葉じゃ言い表せない高揚感
動きじゃ収まらない罪悪感
それでも溢れ、高ぶる想い。
僕は、何をしているのだろうか。
あの子に告白して、振られたから?
それで夜の街に繰り出して…誰かに話しかけられて…
思い出せない。いや、思い出さなくてもいいか。
今はこの気持ちに浸っていたい。幸せなんだ、とても。
だから、邪魔をしないでくれ!
「こちらα、現場に到着。
目標の狂者を発見。駆除を開始する」
無機質な音と共に、複数の天使達が武器を構える。
そこは左右に、ネオン輝くビルが立ち並んでいた。
ビルにはたくさんの光る看板がかけられ、綺麗なドレスをきた者達が、心配そうに覗いている。
その道のど真ん中で、往来を邪魔するように、ビルの半分ぐらいの大きさをした、獣が立っていた。
巨大な羊が、二足歩行をしたような姿だった。
口から涎を垂らし、服は千切れ、全身の赤い羊毛が刺々しく生えている。
戦隊モノの悪役のように、赤黒いオーラを放っている。
目は焦点が定まっておらず、天使達の忠告が、耳に入っていないようだった。
「あーあ、あれは助からないね」
真の黒幕のように、嘲笑うかのように。
ビルの上で、騒動を見下ろす誰かが、そう言った。
お題『溢れる気持ち』
2/5/2026, 11:32:29 AM