ストック1

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さらさらと流れゆく時の砂
せき止めようとしても、砂は私の手をすり抜けて、どこまでも流れていってしまう
これほど時が止まってほしいと願ったことが、今まであっただろうか?
君に会うためにここへ来た
話したいことがたくさんあったから
もう一度、君の笑顔が見たかったから
二時間だけ死者と過ごすことのできる部屋
そこで君は、変わらない笑顔で私を迎えてくれた
それだけでとても嬉しい
だけど、できないとわかっていても、どうしても大切な君といつまでも一緒にいたいと願ってしまう
そんな本音を言ったら、君を困らせてしまうだろうし、君だって同じ気持ちだろうから、私がそれを話すことはない
君といる時間は、やっぱり楽しいな
ずっとこのままがいいと願わずにはいられない
それでも、さらさらと流れる砂を止めるすべはなく、別れの時間は来てしまう
大切な私の娘
また会えて嬉しかったよ
君の成長していく姿を見られないのが残念だけど、仕方のないことだ
君の幸せを願っている
君にはいつまでも笑っていてほしいんだ
だから、泣かないで
私がいなくても、きっと、私以外の大切な人たちが君を笑顔にしてくれる
君の前から突然いなくなってしまって、本当にごめん
そして、私の娘として生まれて、元気に生きていてくれて、ありがとう
私は君のおかげで幸せだったよ
さあ、そろそろ私は私の逝くべき場所へ向かわなければ
さようなら
いつまでも元気でね

5/28/2025, 11:32:33 AM