冬至。

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            びーえる要素ありありで。


「よーい、はいスタート!」
そんな合図で始まるキス。
なんて事はない今流行りのボーイズラブという男同士で恋しちゃう系ドラマの撮影。
それで俺はそんな合図と共に目の前の運命の相手とキスをする。
熱い視線で見つめ合って甘く激しく求め合う。
アイツに優しく頬を撫でられ激しくくちびるを吸われそれから首筋に降りてきたてのひらに軽く首を掴まれ上を向かされる。
コイツ人の首を触るの好きだよなーとか思いながらそのまま降りてきたくちびるに喉元を軽く噛まれる。
跡が残ったらどうすんだよ、とか思うけど撮影が止まらない限り抗議もできない。
うっすらと目を開けて覗き見ると熱い視線とぶつかった。
欲情してるような熱視線。
直視出来なくてのけ反る素振りを見せる。
その瞬間、腰を掴まれ捕えられた。
重なった部分が熱い。
少しでも逃げる素振りを見せれば追いかけて離さない。
本気で愛されてるようだ。
そう、錯覚に陥りそう。
甘く甘く惚けるその感情にかぶりを振って堕ちていきそうな思いを振り切る。
こんなに求められるのは演技なのだから。
それ以上でもそれ以下でもない。
心では否定しながらも身体は熱く応える。
腕を伸ばしてアイツの首に絡めて引き寄せる。
さらに一層息も出来ないぐらいの長い長い口付けをされながら。
本当にこれが恋ならいいのに。
コイツが本当に俺の事を好きになってくれたらいいのにと願った。
そんな事1ミリもあるはずが無いのに。
絡まる視線は演技でしかあり得ないのに。
なのに何でこんなに全身で求められてる気がするんだ。
遠くでカットの声が聞こえる。
名残惜しく離れていく身体。
まだ触れていたい。
お互いにそんな気がした。
そんな気がしただけだ。



                    (Kiss)

2/5/2026, 9:43:42 AM