27(ツナ)

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「二人だけの。」
(※7/9「届いて……」の続きのお話。)

彼女が居なくなってから1ヶ月が過ぎた。
学校中探し回っても人に聞いてもなんの手掛かりもなかった。

放課後、気分転換に屋上へ上がると珍しく誰も居ない貸切状態だった。フェンス越しに景色をぼんやり眺めて溜息をつく。
「なぁに?まーた悩み?溜息つくと寿命縮むんだよ?知ってた?ヤバくない!?」
突然後ろから声をかけられてビクッとなる。
聞き覚えのある声色と調子のいい話し口調にピンときた。
ずっと探し回ってた金髪派手ギャルのあの子だ!

「…も〜びっくりさせないでよ!ずっとあなたを探してたのに…。今までどこに居たの?学校中探したのにどこにもいないし誰も知らないし。」
「え、えぇ〜っとぉ、休んでた!ははっ。」
「そんなの嘘。あなたこの学校の人じゃないでしょ?」
「うげっ!んー…あ〜ってか、なんで私の事探してたの?」
図星なのか、あからさまに動揺して話題を変えようとした。

「それは、あなたにお礼を言いたかったから。おかげで彼と付き合うことができたって!…で、あなたどこの学校の人なの?」
逃げられないようにフェンスに追いやって問い詰める。
すると観念したのか彼女は重い口を開いた。
「言っても絶対笑わない?」
「もちろん。」
「…私、実は人間じゃないんだよね?」
「……(ん?)」
「あー、えっと、お化けとかでもなくて、あの〜その…か、神様、代理?みたいな?」
「……。」
「キャー言っちゃった!ねぇ、これ絶対他の人に言っちゃダメだよ!!!ふたりだけの秘密、ね!」
「……は?」

7/15/2025, 10:47:12 AM