窓から暖かい木漏れ日が差し込んできた。
私の心はその景色と対比するようにとても沈んでいた。
「また今日も朝が来てしまった⋯」
朝が嫌いな訳では無い。元より好きな方ではなかったが特別嫌う理由もなかった。
だが今の私は生きることに疲れてしまっていた。
何にもやる気を感じられず、ただ過ぎ行く日々を見つめているだけのような感じだった。
まさにもぬけの殻だ。人形とも呼べるだろう。
しかし、そんなことは言ってられない。
学校には行かなくてはならないし、時間も限られている。
どれだけ、疲れていようが朝はやってくる。皆平等に朝を迎える。それが当たり前であり、普通であるのだから。
学校に着いても変わらない。人々はサイクルの中にいる。そのサイクルから外れている者は後ろ指を指され、孤立する。
私もサイクルから外れた1人だ。
けれど教室に入るといつもと雰囲気が異なっていた。
皆がうわつき落ち着きがない。
その理由はHRで直ぐにわかった。
転校生が来たのだ。
その人もサイクルから外れた人だと直ぐにわかった。
馴れ合いを嫌い、人が話しかけても無視をする。まるで、自ら外れているようだった。
けれどその人は、私に話しかけてくれた。
何度か会話を重ねるうちにお互いのことを話せる仲になった。
私はだんだんとその人に惹かれていった。
それは私の心に暖かい日差しが差し込んだ瞬間だった。
7/3/2024, 9:28:36 AM