hashiba

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お互い老い先がさほど長くないわけだが、果たして死んだくらいで手放してもらえるだろうか。行く先が天国だろうが地獄だろうが、構わず追いかけて来るのではないか。隣で眠っているこの人に引っ捕まえられたまま、寝起きの頭でそんなことを考えていた。これでは寝返りが打てないだろうに。おまけに体温が高いからこっちは眠くて仕方ない。カーテンの隙間から差す光を無視し、その胸に顔を埋めて二度寝を決め込んだ。


(題:ハッピーエンド)

3/30/2024, 5:19:29 AM