小絲さなこ

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「雨の中で踊る」



その地域でやっているお祭りに参加できるということは、その地域に受け入れられたように感じられて嬉しいものだ。
たとえ一年後にその地域には居なくても。

お祭りの起源は、どこの地域も似たようなものだが、お囃子などは地域差があるものなので、それを聞くだけでも楽しい。

私は祭りが好きだ。

だから、参加できなくても見に行く。
それがどんな種類のお祭りでも。



大通り脇の屋台は昼から営業が始まっており、大通りは交通規制され、子供たちのはしゃぐ声があちらこちらから聞こえてくる。

気温が体温よりも高くなっていく。
真っ青な空に、もくもくとした雲。見ただけで夏だとわかる空。

必ず途中で雨が降るというお祭り。

夕方、大通りを練り歩く踊り蓮がそれぞれのスタート地点に待機し始める頃には、西の空に灰色の雲が迫ってきていた。




────お祭り

7/29/2024, 12:44:17 AM