文崎

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涙の理由。

書いても、書いても、
貴方のような文才は無くて。

声が枯れるまで歌っても、
貴方のような歌唱力は無くて。

描いても、描いても、
貴方のような画力は無くて。

どれも途中で心が折れてしまい、
最後に残るは、無駄な時間を使ったと思う後悔と、喪失感でした。

そこで、貴方と比べる事を辞めて、
自分の好きな道に進みました。

ところが、その道は想像を遥かに上回る厳しさで、自分の小ささと、この世界の生きづらさを知りました。

息が詰まる生活を何年も繰り返して、
人間不信と言うものになって、
社会不適合者となって、
世間の波にのまれてしまって。

その時になって初めて、涙が零れてきました。
これが、悲しいと言う感情ですか





10/10/2023, 2:10:27 PM