夢の中で砂時計を見ていた。糸のように落ちる砂の一粒一粒から、声が聞こえる。
「わーい、わーい」
何がわーいなのかは分からないが、とにかくじっと耳を澄ませ、その声を聴いた。
「わーい、わーい、ばんざーい」
「…ばんざい」
「ばんざーい、ばんざーい、ははははん」
「ははははん?」
「あはははーん」
わらわらわらわら、砂つぶたちは陽気に落ちていく。砂つぶたちが全て落ちたあと、もう一度ひっくり返した。
「えーん、えーん、死にたーい」
「え?」
「死にたーい、死にたーい、ずもももん」
「ずもももん…」
「ガガガガーン」
うじうじうじうじ、砂つぶたちは陰気に落ちていく。でもなぜだろうか。わーいもえーんも砂つぶたちの響き は同じに聴こえた。
『砂時計の音』
10/18/2025, 11:23:42 AM