【僕はーーー】
これは、僕が書いた遺書だ。
『これから僕が隠した手紙を探してくれ。全部で四つあるよ。』
夜中の二時。親友である彼に、僕は一つのメールを送った。彼にだけは、知っていてほしいと思った。僕が自殺する理由を。
僕が死んだと知らされた彼は、泣く事はなかった。そしてすぐに僕が隠した手紙の捜索を始めた。
『我が親友ながら、薄情なものだね。』
空から彼を見守りながら、そう呟いた。
一つ目の手紙
【僕は君に出会えてよかった。それと同時に、後悔もした。君みたいな人間を、僕みたいな人間が振り回してしまった事だ。でも、君に出会えて幸せだった。】
二つ目の手紙
【僕は死にたかった。理由もなく、只死にたかった。きっと僕は死に恋をしていたんだ。】
三つ目の手紙
【僕は君の時間を奪ってきた。そんな僕が言うのもおかしな話だけどね、僕は君に生きて欲しい。笑っていて欲しいよ。】
彼が見つけれたのは、三つの手紙だけだ。四つ目は見つけられていない。いや、見つからない。何故なら、四つ目はないのだから。
『君が死んだ時に、話してあげるよ。』
数十年後。彼は老衰死で眠りについた。彼が火葬される時、彼の腕の中には僕が書いた手紙があった。僕はそれを見て、静かに涙を流した。
『泣いてはくれなかったのに、大切にしてくれたんだね。』
最後の手紙の行方は、彼の元に手渡された。
2/18/2025, 3:12:47 PM