「ひそかな想い」
この胸に秘めた想いは、誰にも気づかれたらいけない。
可愛い子供がいて。
不満がないと言えば嘘になるけど、でもそれなりに大事だと思える夫もいて。
仕事も、私生活も充実してて。
毎日の小さな愚痴位は出るけど、でも、決定的な不満や不安はなく、幸せな毎日だと思える。
でも。
私の心の底には、誰にも言えない想いがある。
あの人と別れて、「もうこんなに辛い恋はしたくない」って、心の底から思っていた。
裏切られたし、修羅場もあったし、決して誠実な人ではなかった。
私にも、彼女にもいい顔をして、私も彼女も苦しんだのに、それでも自分が一番苦しいと思う様な、そんな狡い人だった。
決して自分からは結論を出さず、悩み抜いているポーズをして、結局私と彼女に結論を出させる様な人だった。
だから、私は心の何処かで呆れていたし、この人との未来はないな、って思ってた。
疑いながら一緒に居る事なんて出来ないし、居たいとも思わなかった。
だから、私は別れを選んだ。
でも、実際は。
ただ私は臆病なだけだった。
あの人を信じる事が怖くて。
ただ、自分のプライドを守っただけだった。
疑心暗鬼になって、醜い感情を剥き出しにする自分を見たくなかっただけだった。
そして、そうやって自分から逃げた私は。
今でもあの人に対する気持ちを何処かで終わらせる事が出来ないまま。
心の中にあの人に対する一縷の想いや希望を残したまま。
この先、きっと一生どうなる事もなく、でも失くす事は出来ないこの気持ちを。
誰にも言えないまま、きっと一生持ち続ける。
密かに、心の奥底でずっと。
2/20/2025, 12:00:30 PM