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みんなから取り残されているような感覚
「待って!みんな私を置いていかないで!!」
何度言ってもみんな私が見えないかのように通り過ぎていく。
まるでエンジンのついていない飛行機のよう。
みんなが飛び立つなか独りだけ地面を這いつくばっている。

(アラーム音)

「あぁ、なんだ夢か」
朝からなんだか気分が悪くなる。

きっと受験が終わったからだ。
もちろん手応えなんてない。あったらあんな夢など見ない。
「はやく受験結果発表されないかな」
受験の日に生理が被ったなんて言い訳も通用しない。
おかしな話だ。試験だって緊張したらいつも通りの力なんて出せないのに。

なんてことを考えていても仕方がない。
でも、受験終わりの土日は何をしていいか分からない。
いつもなら勉強ばかりしていたが、受験が終わったらする必要も無い。
ゆっくりしようにもなんか物足りない。

最近こういうことがよくある。
受験が終わったことの開放感と志望校に落ちているのだろうという絶望感が混ざりあってなんとも言えない感情になる。

「ティックトックでもみるか」

ティックトックをみていると流れてくるのは卒業関連のことばかり。
卒業式の歌だとか、卒業までに何をするべきかだとか
自分の心の中はまだ小学生なのにもう体は高校生になろうとしている。

本当にこのままでいいのだろうか。
こんな人間が社会に出て大丈夫だろうか。

思い返せば(思い返すほど思い出は無いけど)中学時代は凄く短かった気がする。
時の流れはやはりはやいのだなと感じる。

自分は何気に良い先生ばかりと関わってきたと思う。
(その代わりクラスメイトは荒れていたけど)
優しい先生ばかりだったし、荒れていてもみんなを見捨てずに最後までちゃんと向き合おうとしてくれていた。
「もう卒業か」
本当に卒業したくない。
中学の先生たちとずっと一緒にいたい。

自分は人見知りですぐにはちゃんと話せない。
でも今の先生たちは3年かけて信頼関係築いて素を出せる人ばかりだ。

それが卒業したらなくなる。
すごく怖い、


でも卒業しなければいけないし、先生たちが頑張って自分たちの調査書を提出しにはやくから高校の門の前で待ってくれていたから期待に応えたい。


でも受かってないかもしれない





でもそれでも
「せめて卒業式は3年間の中で一番最高の日にしたい」
「そして応援されるような人になるんだ」

だからそんな人になれるようにみんなに追いつけるように応援しててね先生。




"過ぎ去った日々"

3/9/2024, 11:39:15 AM