バズ母

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紅茶の香り

日曜の午前中、紅茶の香りで目が覚める。
「今日はコーヒーじゃないの?」

「もらったんだ。ウバ紅茶って言うらしい。ミントの香りしないか?朝はこれがいいらしい。」
確かにミントのようかスーっとした香り。

コーヒー好きな私としては、紅茶はなんだか物足りない。せっかく彼が入れてくれたので、飲んでみる。ミントの香りとキリッとした苦味。確かにこの紅茶を飲むと目が覚める。

「どう?美味しい?」

「うん、美味しい。でも、朝はやっぱりコーヒーかな〜」
彼は笑いながら
「そう言うと思ったよ。俺、スリランカで暮らそうと思ってる。インド洋に浮かぶ島国だ。付いて来るか?」

「私はね、パリに行ってパティシエの勉強をしたいと思っている。もしかして、私達、お別れかしら?」

「そうだな。俺には後にも先にも君しかいないけど、やりたい事をやるよ」

「私もあなたしかいないけど、やりたい事をやるわ」
そして私達はウバ紅茶でスッキリ目覚めて、決断した。
愛している彼とまで別れて決めた夢だ。もう、後戻りはできない!
前に進もうどこまでも!

10/28/2023, 2:15:12 AM