『夜が明けた。』
日中暑いぐらいに太陽が照り始めた最近は、日の出が早い。
朝が来るたびに、生きているという実感が薄れていくような気がする。忘れてはいけない感覚を、逆撫でて思い出させるように掴みどころのない思考を追いかけたりしてみる。
小さい頃、まだ人が眠っている時間に目覚めると無性にワクワクした。そしてだんだんと、薄暗くて音のない世界にたった一人生きているような感覚を意識から離れた場所で覚えた。
夢から覚めて頭がまだぼんやりとしている間は、無意識に見ていた夢のことを考えている。ベッドから起き上がる頃にはそのほとんどを忘れて、現実を見ている。
雨降りの日なら、雨が降ってるなとしか考えない。
朝はそれぐらいがちょうどいい。
4/28/2025, 3:10:43 PM