かたいなか

Open App

「安らかな瞳」ってどんな瞳だよって、鏡を見てそれっぽい表情をしようとして、
結果として、自分の顔に轟沈した物書きです。
自分の顔って、自分で見るモンじゃねえな、というハナシは置いときまして、
今回のおはなしの始まり始まり。

「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
今回のお題回収役は管理局法務部の野郎、
ビジネスネームをカモといいます。

カモには生涯の忠誠を誓った収蔵部局員がおって、
それはすなわち、ドワーフホトのお嬢さん。
去年お嬢さんは無償の慈愛と慈悲でもって、負傷したカモをかくまって、助けてくれたのです。

おお、ホト様、心魂美しきひと、
私は今まで貴女と敵対する組織に居たが、
これから私は心を入れ替えて貴女のために働き、一生かけて恩返しをしましょう!
カモはドワーフホトのお嬢さんと出会ったその日から、お嬢さん専属のハイスペ執事となりました。

で、先月14日、お嬢さん推しの野郎・カモ、
お嬢さんからこれまでの純粋な感謝として、
一点ものの、『いつもありがとう』と手書きで書かれたチョコを貰いまして。
カモとしてはもう感謝カンゲキ雨あられ。その日の夕暮れはチョコを管理局の夕日に掲げて、
安らかな瞳で、涙などちょちょ切れておりました
(お題回収前編)

ところで3月14日は
このチョコのお返しに丁度良い頃合いですが
なんということでしょう、
ドワーフホトのお嬢さんには、カモがハイスペ執事として恩返しを開始するよりずっとずっと前から
スフィンクスという、心と心、魂と魂で繋がった、
彼女たち2人の間に誰か他人が挟まる余地などナノもピコもフェムトも無いような、
切っても切れない、大親友がおりまして。

「つまり俺はホト様を敬愛してるけど、
ホト様にはもうスフィンクス様がいて、
だが俺はホト様に恩返しをしたくて、
んんん……。そこからのチョコのお礼なんだよな」

何だろう、何だ、既にカップリングが確固として互いの間に確立しているその片方への贈り物?
カモはドワーフホトのお嬢さんと、お嬢さんの大親友を思い浮かべて、西へ東へ。

「そういえばスフィ様は」
スフィンクス様はミカンが好きだ。
さっそく最高級ミカンを段ボールボックスで仕入れようとW歌山県へ。
しかしミカン農家さん、言いました。
「もう晩生も最晩生も、収穫は終わってるよ」
あっ。そうなんですね。
ここでカモは1敗。
取り敢えず、和風オレンジチキンの素なる2袋だけ貰って次へ向かいました。

「そういえばホト様は」
ドワーフホト様はスフィンクス様と一緒に、どこかの世界のピラミッドの映画を観るのが好きだ。
さっそくこっちの世界のピラミッドがある国の土産物を仕入れようとEジプトへ。
しかしエジプトの土産屋さん、言いました。「أقترح عليك هدية من المشروباتالكحولية.」
あっ。そうなんですね。
翻訳器を忘れたカモはここで2敗。
取り敢えず、ピラミッドぱんつなるネタ土産だけ2枚貰って次へ向かいました。

そういえばエジプトのお土産屋さん
なにか美しい装飾のついたボトルを持ってました。
「そうか、酒だ!」

コミュスキルと翻訳器とを駆使して野郎・カモは、
ピラミッド映画の舞台の、オレンジワインを取り扱っているお店を歩いて歩いて、
「見つけた。やっと、みつけたぞ」
ドワーフホトとその大親友、スフィンクスが管理局で初めて出会ったそのとき、その年に、仕込まれたボトルを4本、手に入れたのでした。

「これで良い」
丁寧に梱包してもらう作業の手際を、野郎・カモは安らかな瞳で見守りました
(お題回収後編)

ドワーフホトとスフィンクスが出会った年のオレンジワインを貰ったお嬢さんは、大歓喜!
さっそく1本を大親友に届けて、もう2本を自分で大事に保管して、
最後に残った1本に、最高の料理と場所と景色とを添えて、1杯、2杯。
さっそく友人と2人、それからもちろんカモも連れて、ディナーを楽しみましたとさ。

3/15/2026, 5:52:59 AM