アウターを着ないと寒ささえ感じる秋風が風が制服を扇ぐ度にバタバタと音が鳴る
思い悩む思春期を写しているかのような曇天の空は暖かな陽の光をこれでもかと隠してきた
『何処か遠くに行きたい』
届く訳でも無いのに校庭を走り回るサッカー部員に呟いた
思った以上に高い学校の屋上で独り零した
家に帰りたくないという理由で校内に居残る生徒は不良に含まれるのだろうか
転落防止柵を掴む手に力を込めた
窮屈になった上履きを脱いで
風に煽られるリボンを整える間もなく
長いポニーテールは重力に逆らおうとした
重力に従う身体とは違って
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〜あとがき〜
いざとなったら全部捨てて遠くに逃げるのも有りなんだぜ
死にたい訳じゃ無いのなら
10/12/2024, 8:08:22 PM