【赤い糸】
私の小指には
彼女と繋がった赤い糸が
結ばれていたのだろう
いつしかお互い想うようになり
楽しく時が過ぎていった
けれど私は何故かその赤い糸を
自ら切ってしまった
彼女との間には溝ができ
今までみたいに向き合うことはなくなった
それでも彼女は私に向き合おうとしていた
けれど私は眼をそらし続けた
やがて彼女は私の前から姿を消した
ある時偶然耳にした
『彼女、亡くなったんだって』
赤い糸を切られ風に流される凧のように彷徨って
誰かと結ばれたらしい
幸せだっただろうか
自ら赤い糸を切った私に
そんなことを想う資格などない
もし切っていなければ
今も彼女は私の前で
笑っていただろうか
今さら後悔しても
遅いのだけれど
6/30/2024, 11:27:39 AM