目の前にいる彼女は、いつものように笑って話している。声のトーンは高く、よどみなく言葉が出てくる。その話を、半ば圧倒されるかのように聞く。
たまに質問されることもある。それに少し答えると、またその倍以上に長いおしゃべりが続く。まるで、セリフのように。
短いスカートをはいた足元を所在なさげにゆらしながら、時々長い髪の毛を何度も手でとかす。その抜けた髪を時々、ぽいと下に落とす。そんな彼女をぼんやりと見つめ続ける。
彼女といると、世界はとても色鮮やかに見える。でも、本当は何となく気付いている。こちらに向けられる笑顔は、何かほかの目的のためかもしれない。でも、色のない世界には、もう戻りたくないのだ。
「無色の世界」
4/19/2026, 6:37:49 AM