もう二度と
もう二度と会わないような人には明るく優しく振る舞うことができる。最寄りではないコンビニの店員さんとか、道を聞いてきた外国人観光客とか、旅行先で写真を撮ってもらうようにお願いしてきたカップルとか。普段とは別人のように明るく元気にハキハキと受け答えができる。ただ、それに二度目があるとぼろが出てしまうのだ。コンビニの店員さんに「いつもありがとうございます。良い天気ですね。」と話しかけられるときょどってしまうし、外国人観光客が「アリガトウ!今度あなたが故郷に来た時は案内するよ!」とカタコトで言われても苦笑いしか返せないし、あのカップルらしき人が「○月×日△△でこの写真を撮ってくれた親切な方を探しています!」とTikTokをあげていたら背筋が凍る。その場限りのキャラ作りが得意なだけで中身がそれに伴っていない。ああ、人生向いていないなと思う。けど、この生き方しか知らないからこの生き方をするしかない。自分の剥がれかけたキャラを丁寧に貼り直して、ぼろが出たところは綺麗に掃除して無かったことに。誰が見てもキャラか本当か分からないくらいに作り上げたその理想像を自分のものとした時に、きっともう二度と自分の惨めさ感じないようになるだろう。
3/24/2025, 12:47:17 PM