「んっ!この玉子焼き美味し〜」
「あっ、いつの間に!返せ!俺の玉子焼きだぞ!」
「あー、喧嘩しない」
「あはは、なんか寧々(ねね)がお母さんみたい」
「そんな事言ってないで注意したら?」
「桜は厳し〜」
「ふ~ん、なかなか美味いな」
「私の唐揚げが〜!だして!吐き出して!」
「汚くない?」
「いや、今のは多分本気で言ってないと思う」
「!ごめん、また間違えた」
「仕方ないよ、陽菜(ひな)はちょっと抜けてるって言うか天然だし」
「寧々〜!海斗(かいと)が〜!」
「先に玉子焼き取ったのは凛(りん)でしょ?」
「うっ、まぁね?でも唐揚げは私の大好物だし…」
「それは海斗にも言えるでしょ?それに取ったことには取ったんだからちゃんと謝らないと」
「……か、海斗…そのー、たまごや、き、食べちゃって、ご、めん……ね?」
「はぁ~、俺も唐揚げ食べてごめんな」
「…謝ったよ?」
「うん、偉いね〜」
「なぁ、あいつって中学生になっても他人に褒めてもらいたいの?」
「仕方ないよ〜、愛情が足りてないとか褒めてもらえないとかあったんじゃない?」
「おい!桜と優(ゆう)!別に愛情も足りてるし褒めてもらってましたけど?」
「じゃあ何でだよ」
「なんか、寧々の声って聞いてて心地良い声って言うか…」
「まぁな」
「だから、褒めてもらいたくなるの!」
「なんで半分キレ気味なんだよ…」
「くだらない事言ってるからでしょ?」
「三人ともー!集まって〜!」
「「「?」」」
「なに?どうしたの?」
「私達ってもうすぐ卒業して会えなくなるじゃない?」
「あぁ」
「だからこの紙を一枚づつ配るから、それを回して残りの五人に自分に対しての想いを書いてもらってほしいんだけど良いかな?」
「質問!何で今?まだ後一年くらいあるけど…」
「受験とか部活とかで集まれる機会が減るから今が良いと思ったんだ」
「成る程ね〜」
「じゃあ紙配るよ、隣の人に回していって」
「……紙でっか…」
「よし!行き渡ったかな?今から時計周りに紙を回していって紙が戻ってきたら終わり」
「戻ってきた…」
「終わったかな?後もう一つこれは強制じゃないけど、本当に言いたい一言だけ紙に書いてほしい」
「書き終わった紙は誰が持ってるの?」
「それは勿論私、全員が知ってるのは私の家だけだしね」
「いいんじゃない?」
「名前と一言ね、お願い」
石井 寧々
これからも友達同士でいたい
斉藤 海斗
色々頑張ろう!
池田 桜
仲良くしてたい
宮崎 優
名前の通りでいたい
高木 陽菜
もっと集まりたい
中島 凛
同窓会やりたい!!
「海斗?色々ってなんだ?」
「受験とか部活とか…人間関係…とか?」
「それより!同窓会やろうよ!今のクラスで!」
「それは、クラスの皆で相談しないと」
「同窓会やるんだったら少なくとも連絡先くらいは知っておかないと」
「それに関しては大丈夫」
「流石寧々!」
「ま、そんな後の事より今を楽しもうよ」
「確かに、花見に来てて見ないのもな」
「はいはい」
ー桜散るー
4/17/2024, 11:56:11 AM