「揺れるキャンドル」
乱雑に玄関を開け、右肩に乗る荷物をその辺に放る。
そして一直線に冷蔵庫へ向かい、もう片方の手に持っていた白い箱を中へ入れる。
白い箱はすかすかの冷蔵庫を大きく占領し、我が物顔で居座っていた。
部屋着に着替えたり諸々の準備を済ませ再び冷蔵庫の前に立つ。
先程より少し冷えた箱を机にだし、箱を開ける。
プレートをゆっくり引っ張り、まん丸のケーキを取り
出す。
ひとしきり写真を撮ったら、台所の引き出しからろうそくを1本抜き、ケーキの中央付近に差す。
電気を消し、ろうそくに火をつける。
この歳になると、お祝いの連絡も何人かからぽろぽろと送られてくるだけになり盛大に祝われることも無くなる。
だがしかし、私はそれでも誕生日はしっかり楽しむことにしている。
明日はクリスマスだが、そんなことは自分の誕生日に比べたらどうでもいいことだ。
ふうっと息をふきかけ、視界が真っ暗になる。
手探りでスイッチを探し、電気がつく。
再び現れたケーキは、より一層輝いて見えた。
12/24/2025, 3:40:25 AM