「...ん」
俺は重い身体を起こす。辺りは暗く、何もない。
「......誰かいないの?」
そう問いかけてみるが、返事はない。
「.........」
俺は何もない暗闇を歩いてみる。地面は冷たいと感じた。
「...おーい。あれー?」
俺は歩き続ける。
「ぅ...わ!!」
いきなり底が抜けて俺は落ちる、と言ってもふわふわと優しく下に落下した。
「...わぁ......」
俺は寝転んでまた何もない暗闇を見る。
「あー...落ちゃったか」
俺は目を開ける。カーテンで仕切られた窓から、光が漏れる。
手を伸ばし、スマホを取る。ロック画面には午前9時42分が表されていた。
「.........あ、夢か」
今日もなんでもない1日が始まる。
ただ、今日は少し違う。
これは「書いて」に記された記念すべき第1作目の誕生日だ。
お題 「海の底」
1/21/2024, 4:35:06 AM