冬至。

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                びーえる注意報!


「手を出して」
言われるがままに彼の方に手を差し出すと、その手をそっと包まれる。
「なに?」
「念をかけておいた」
にこっと笑われチュッと音を立てて包まれた手にキスされる。
「うわ…たまに変態っぽいよね」
手を引っ込めようとするけど、強い力で包まれたまま抜けない。
「ちょっと離してよ」
「お前は大丈夫…大丈夫。自信を持って」
本当に念を込めるように優しく何度も手の甲にキスされる。
「もういいから。ほんと離して」
居た堪れなくなって顔をそらす。
「そぉ?」
名残惜しそうにまたそっと口付けてやっと解放された。
「もう一体何なんだよー」
「うーん、まぁなんかあった時のねおまじない。困った時にでも思い出して」
「バカじゃねぇの」
後ろに隠した口付けされたそこをこっそり手で撫でる。
ほんと、バカじゃねぇの。
「まぁ気休めでもね」
目の前の彼は、悪態に気にせずほんわか笑った。


あれから不安なとき、自信がなくなって心が潰されそうなとき、落ち着かないとき、縋りたいとき。
手を握りしめて抱き抱える癖がついた。
「ほんと、気休めだよな」
すげぇ効くけど。




              (手のひらの贈り物)

12/20/2025, 9:49:39 AM