宮平和実

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「二人だけの秘密」

 誰もいない空き教室で君は人差し指を口の前に持っていって君は言った。
「これは二人だけの秘密だよ」
僕は頷いた。
「って言って誰かに言ってしまうのでしょう?」
「僕は言わない。僕は口がかたいし、友達があまりいないから」
君の目を真っ直ぐに見て言った。
「言わないでいてくれるのは嬉しいけど、友達があまりいないのは悲しいね」
君は少し悲しい表情をした。
「そうかもしれない」
僕は言った。
最終下校の鐘が鳴った。
「じゃあ、私は帰るよ。バイバイ」
「うん。僕も帰るよ。バイバイ」
お互いに手を振って空き教室を出た。

5/3/2024, 12:04:13 PM