未知亜

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ㅤ浴衣から覗く丸い踵が、歩くたびに見え隠れする。右足の隅が赤く腫れている。
ㅤ交差点を渡った君は、手に掛けたビニル傘を広げた。角の向こうから現れた相手に笑顔で手を振る。
ㅤ雨に煙る街、寄り添う君と誰か。それは僕の見る夢の、僕なのかもしれない。


『誰か』

10/4/2025, 8:20:21 AM