どこまでも広がる青い海と青い空。
見ているだけで吸い込まれそうになる。
どうして海と空は青いのだろう?
地球に水が多いからか、太陽が光を照らして青くしているのか、神様が頑張って色を塗ったのか。
そんなつまらないことを考えながら、海と空をぼーっと見ている。
「おじちゃん、じゃまだよ。そこどいて」
「っと、ごめんよ」
「ありがとー!」
俺がその場から離れると、女の子は俺が立っていた場所にしゃがみ、小さい青いスコップで砂浜を掘り始めた。
周りには、潮干狩りに来ている人達でいっぱいだ。
「……帰るか」
まったく、独り身はつらいぜ。
砂浜を歩いている途中で強風が吹き、目と口に砂が入る。
「ゲホッ!ゲホッ!ぺっぺっ!」
俺は足を止めて振り返り、青い海と青い空に向かってキッと睨み、目で文句を言ってやった。
5/3/2025, 11:28:07 PM