#バレー #家族 #病み
私には、兄がいる。
小さい頃から、仲が良かった。
いつも私が兄に引っ付いてる
感じだった。
ある時、ばれーというスポーツの体験に3人で行った。
バレーはすごくて!私は、瞬く間にバレーに
惹かれていった。私だけではない。
もちろん、兄たちもだ。
中学生になっても、バレーへの情熱は
冷めていなかった。
むしろ、前にも増して熱くなったかもしれない。
兄たちは、すごくバレーが上手になった。
兄たちはどんどん私を置いていった。
兄たちは、全国レベルの選手。
私は褒められるところなんてどこにもない。
もちろん、親の関心は、兄たちだ。
私のことなんて見ようともしない。
何かを言おうとしても、遮るか、無視するかだ。
私は、バレーをしている意味が分からなくなった。
兄とのバレーは楽しかった。
だけど、段々と、そして、着々と
私達は離れていった。
ある日、大会ですごい賞をもらった。
私は、ずっとその賞に憧れていたし、
ずっと欲しかった。私がいつか手に入れるんだって。
それが兄との約束だった。
嬉しい気持ちで帰り、母に報告した。
兄だけじゃなくて私もすごいんだよ!
私にも関心を持ってほしかった。
帰ると、兄たちのトロフィーやメダルがあった。
それは、とても輝いていて私には到底手の届かない
ものだった。
私は、こんな賞状要らない。
全然すごくないじゃんか。
喜んで嬉しかった自分が恥ずかしく思えてきた。
なんだか、どうでも良くなって。
賞状を破って捨てた。
私には、もうあの頃のきらめきを
理解することは出来なかった。
【きらめき】#14
9/4/2023, 1:08:23 PM