サラマンダー・サラダ

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裏返しにされた紙が机に置かれている。
これはシュレディンガーの猫である。つまりこの裏返された紙の表に何が書いてあるか、それは開けてみるまで分からないので、現時点で0から100までの事象が同じ確率で存在しているのだ。
だから私はこれが100であると言っても、紙を開かない限りは、それを誰かに完全否定されることは無いのである。
そうだ、そのままのことを報告すれば良いのだ。何を恐れることがあろうか。箱に入れられた猫がどんな状態であるかを確認する必要など無いのだ。
私は、そう自分に言い聞かせた。
だが、やはり気になってしまうので、紙を少しだけめくってみる。そこには、確かに0点の数学テストの用紙があった。
私はこれをそっと戻して、腕組みをしながらしばらく考えた。
この紙はまた裏返しになったのだから、やはり同時並列的に0から100までの確率が存在しているに違いない。
まさしく発想の転換である。私は天才に違いない。なので不当な点数など付けられる筈がない。
ちょっと昼寝してから見てみれば、結果はおのずと変わるであろう。それが量子論的振る舞いというものではないだろうか。
私はそう結論づいて、難しいことを考えて疲れたので、ふて寝することにした。
起きてみると 、やはり裏返しにされた紙が机に置かれている。

8/22/2023, 6:28:24 PM