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【ずっとこのまま】

学校からの帰り道でのことだ。

黒い影が僕の前方を、右から左へ横切るように飛んでいった。

見たことのない鳥だと思った。実際にはそれが鳥であるかどうかも定かではなかったが、直観的には鳥だと思った。だから、仮に鳥と呼ぶことにする。

青光りする黒い鳥だった。黒い鳥だが、カラスとは違う。胴体と翼の境がなく、胴体の一部が平べったくなっているという様子だった。凧の中心線部分が膨らんだような形、という印象だ。

それが、滑空し、微かに羽ばたきながら、目の前を横切った。

この鳥は僕にとって未知のものだ。もしかすると、僕以外の多くの人にとっても。

後を追ってみたいと思った。




鳥を追って、道を脇へ逸れた。視界の奥で小さく見える鳥を追い続ける。導かれているように思えた。

建物の間をすり抜け、植え込みをくぐり、道なき道へと進んでいくと、開けた空間に出た。周囲を木に囲まれた、半径5メートルほどの空間だ。

その中心に孤立した木があり、鳥はその木に留まっていた。いや、貼り付いていた。鳥には足がなく、全身を枝に巻き付けるようにして留まっているのだ。

ゴミ袋か何かだったのだろうか。そう思いながら、近づいていく。あと2、3歩で手が届きそうな場所まで来ると、鳥が自ら動いてめくれ上がった。露になった腹側の面には、2つの目がついている。目が合った。

反射的に「しまった」と思った。

1/13/2026, 2:48:22 AM