いつか君に届くように
僕は君のために愛を叫ぶよ。
もう君にはきっと届かないけど
君はまだ寝ているだけなのではないかと
勘違いしてしまいそうなくらい目を閉じていた。
呼びかけても返事がないし少し冷たくなってるのが
彼女が亡くなってしまったなによりの証拠だった。
色んなところに電話をかけた。
僕の感情は悲しさの1色に染まって
家族や彼女の友達の慰めなんて
ちっとも頭に入ってこなかった。
彼女はもうすぐ亡くなってしまうことなんて
とっくに知ってたのか
1冊のノートを見つけた。
彼女の文字が少し滲んでいるところがあった。
彼女も泣きながら書いたことがわかった。
彼女は僕の良いところを書いてくれていた。
・優しい
・面白い
・よく笑う
・清潔感がある
・いつも頑張って仕事をしてる
・いっぱい甘えてくれる
・たくさん甘えさせてくれる
・私をよく見てくれる
・記念日を覚えて祝ってくれる
・こんな私を好きでいてくれる
本当は結婚したいくらい大好きで
貴方に恋をして愛していたの。
私はあなたを離したくなかった。
でも、私ちょっと体悪いみたい。
私が恋した、愛した君へ
私と別れる選択肢を与えます。
どうか私と別れてください。
本当は君が他の人を好きになるなんて嫌だけど
君に幸せになって欲しから。
最後に
「私は貴方に恋をして、
愛して愛されて幸せだった。
今度は貴方が幸せになって欲しい。
本当にありがとう」
読み終わる頃には自分も泣いていた。
それから海に向かった。
命は海から来て海に帰る
そう聞いたことがあったから
「俺も君を好きだ!愛してる!」
...だから何も言わずに居なくならないで欲しかった。
居なくなっても
俺が君を鮮明に思い出せなくなるまで
俺はずっと君を好きでいるよ
─────『愛を叫ぶ。』
5/11/2023, 9:26:17 PM