恋したあるまじろ

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 結婚してから三年がたった。私はあなたと赤い糸で繋がっていて、今もそれは変わらない。と思ってた。
最近、彼氏が私に見向きもせずに夜遅くまで仕事仕事って。それ、本当に仕事なの?何も話してくれないじゃん。私って都合の良い女なの?




「あ、雨降ってる」
でも、帰りたくない。家に帰ると思い出すから。今でも思い知らされるから。自分の非力を。救えなかった後悔を。
ブー ブー ブー
電話か。誰だろ。
「え、」
着信の相手は結婚した妻からだった。
「なんで、」
俺は通話に出るより先に走って家に帰る。




ガチャ バンッ

「ハァ、ハァ、彩乃!いるのか!?」
「うん、いるよ、遅かったね」
「…、やっぱり、ハァ、いるわけないよな」
え、なんで気付かないの?
目の前にいるのに。

あ、全部思い出した。
あなたと喧嘩した次の日に私。
轢かれたんだっけ。
あれ、あなたの薬指の指輪から赤い糸が出てる。
その赤い糸は私の薬指の指輪まで一直線に繋がっていた。


神様、こんな運命受け入れられないよ。

7/5/2024, 9:58:17 AM