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8月、君に会いたい


暑い、暑い夏の日。
蝉の鳴き声が全方位から僕を取り囲んで。

うるさくて暑くて煩わしくて。

今思えば、あの頃の「暑い」なんて
全然序の口だったんだけど。

それでも、思い出すと僕にとってはあの日々は
暑い夏の日だった。

新幹線で二時間、電車で一時間、そこから車で三十分。
数年ぶりに訪れたばぁちゃん家。

小学校低学年から中学生へと成長した僕。
親友だと誓った君は綺麗になっていた。

また川へ泳ぎに行ったり
山で飽きるほど散策したり。

そんなことを楽しみにしていたのだけれど。

君は綺麗になってしまっていた。

大声で笑い合った君はもういなくて、
儚げに微笑む君。

友愛は消え、芽生えた心。

川のせせらぎを眺め、
山で風を感じ、無言でも二人で夏を過ごした。

それからまた何年経っただろう。
人並みに就職し、人並みに結婚もした。
幸せだ。

なのに、どうしてだろう。
8月が来るたびに、
君に会いたいたくて、
仕方がなくなるんだ。

8/1/2025, 3:49:46 PM