その眼鏡に、ひかりがきらきらと反射するのが見えた。横から見る顔は、口をぽっかりと開けてずいぶんと間抜け面だ。
「感動してんだ」
呼びかけてみる。振り向いた顔は変わらず間抜け面で、感動の為か、それとも寒さのせいか、その頬は上気していた。
「してるよ!綺麗だもん!」
「さいですか」
「……感動しないの?」
続けて、「ロボットなの?」と付け足してくる。 誰がロボットやねん。どこからどう見ても立派な人間やろが。
というか、感動。感動、ね。
「……してるて」
感動してるよ。ここに君を連れてきた自分に。
そんな間抜け面で、でも、ばかみたいにかわいい君が見れたのだから。
してるんじゃん、と満足気な君がまた上を見る。夢中になって我を忘れ、風邪でも引くんじゃなかろうか。ため息をついてから、自身のマフラーをゆるめた。
/イルミネーション
12/14/2024, 1:39:53 PM