生粋

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【仲間になれなくて】


そ~ゆ~時は気を使わせたくなくて

だいたい

俺大丈夫!俺楽しめてる!

って顔して微笑んでる


もちろん

輪に入ってなくても平気で

微笑む必要もないって時もある

それが出来る空間は心地良い


とある会合

各支店の社員が一堂に会す

年に1回のイベント

はじめましての人も多いが

お久しぶりの顔も多い

お互い顔は分かるってくらいの人も


会合が終わるとそのまま親睦会になる

なかなか顔を合わせる機会がない旧友と再開したり

電話だけでやり取りした相手と対面したり

なんだかんだと話題に事欠かない

ある程度時間が経つと

思い思いに席を離れ各所で盛り上がる


そんな中

タバコを吸いに中座し

喫煙所へ向かうとそこにも懐かしい顔ぶれ

ひとしきり思い出話に花を咲かせた後

もとの席に戻ると

テーブルには誰も居ない

みんなバラけたようだ


ちょうど喉が渇いてたのでドリンクを頼みつつ

帰りの電車を調べていると

通りかかった後輩が

ちょこんと横に座り話しかけてきた

この後輩とは今同じ支店で働いてる

どこか掴みどころのない天然娘

時折独り言のように発言したり

なかなか面白い角度で会話に入ったり

天気の話をしててもラーメンの話をしたり

きっと思った事がそのまま口から出るタイプだ


そんな後輩と

届いたドリンクを飲みながら話してると

また人が戻ってきたり

やって来たり

人が入れ替わっていく

いつの間にか

その後輩も離れた席で話してる


楽しい時間は過ぎるのが早く

お開きの時間がやって来た


次行こうと言い出した

同世代の懐かしい顔ぶれ達と

二次会に行く事になった


二次会もやはり楽しい

当時の話から近況報告

仕事の事も

仕事以外の事も

話は尽きない


ふと時間を確認して

また帰りの電車を調べる

みんな別の方向に帰るから

俺は何時何分

俺達は何時何分

と各々調べながら帰る時間に目処をつける


もしかして...

自分がその心境に無かったし

そんな感じでも無かったから気づかなかったけど

さっきあの後輩は

一人で座ってる俺の姿を見て

やって来たのではなかろ~か

だんだんそんな気がしてきた

恐らく間違いない

なるほど

なにも考えてないようで

気遣いを気付かせない配慮

後になって気付くのも先輩として如何かとは思うが

前に出したキャラが強すぎて

気付く者は少ないと思う


凄いなアイツ


きっと本人は認めないだろうし

わざわざ言うのも無粋な気がするから

信頼のおける他の人間達に言いふらかしておこう

9/8/2025, 3:17:26 PM